コロナ禍のストレスを濃い味のポテトチップスで解消
ところで、味覚嗜好の二極化に関してはおもしろい傾向があるという。
「ストレスをためている方ほど、濃い、辛い、すっぱいものを求める傾向にあることが、調査によって判明しています。弊社の商品で言うと『KOIKEYA STRONG』『カラムーチョ』『すっぱムーチョ』。刺激の強いものを食べてストレスを解消したいんですね。一方、『プライドポテト』や『じゃがいも心地』は、どちらかというと癒やし目的。安心感、リラックス、仕事を頑張った自分に対するちょっとしたご褒美需要が多いようです」(野間氏)
野間氏によれば、コロナ禍で多くの人が在宅ワークに切り替わったことで、濃い味の商品需要が拡大したという。自宅作業で愚痴を言う相手がいない。外出自粛で家に閉じこもらざるをえず、気晴らしもできない。鬱屈をぶつける先もない。先行きも不安。そのことが、濃い味のポテトチップスに手を伸ばさせたのだ。
反対に、コロナ禍でもストレスをためていない人、むしろ在宅仕事でストレスが軽減した人は、『プライドポテト』や『じゃがいも心地』を選ぶそうだ。
「顧客層の開拓余地はまだある」
「ポテトチップス顧客層の開拓余地はまだある」と野間氏。「40代以上、子育て中の親世代、10代」だ。
「『プライドポテト』と『じゃがいも心地』が好評とはいえ、やはりポテトチップスは40代半ばくらいで食べなくなる人が多いんです。加齢で高血圧が気になったり、食べる量が減ったり。あとは、家族皆のおやつにしていたけど子供が大きくなって食べなくなり、家で買わなくなったとか」(野間氏)
子育て中の親世代に関しては、「子供にあげても大丈夫」な商品をどう開発し、どう知らしめていくかが肝要。これは40代以上のヘルシー志向にどう寄り添うかに近い。