新人は、クロージングではなく案件自体を見つけられずに悩んでいることが多い。見つけ方がわからないうえ、優良顧客はベテランがガッチリ握って離さない。どんなに小さなものであっても、まずは1件目の受注を獲得するという成功体験をさせることで、営業プロセスを理解し、売れる営業担当者へと変わるきっかけとなる。
「3カ月以内に1件も取れないと、おまえはクビだ」などと叱咤激励する上司もいるようだが、いつクビになるかわからない状況では誰だって気力をなくしてしまう。やる気は、危機意識と同時にその場に腰を据えて仕事ができるという安心感があって、初めて生まれるものではないか。
問題は、営業マネジャーの9割が自身も顧客を持つプレーイングマネジャーであり、部下へのサポートが不十分だということだ(弊社調べ)。厳しい営業ノルマを抱えているうえ、資料作成や上司への報告、会議に追われ、部下のケアまで手が回らない。
かつてはプレーヤーとして輝いていた人が、マネジャーになったとたん覇気が消え、部下をサポートできないだけでなく営業成績も下がってしまうことがある。部下への対応にも自信が持てず、やる気を失ってつぶれる人も少なくない。
新任営業マネジャーには効果的にマネジメントする方法を教え、仕事の配分と効率を考慮し、マネジャーとしてやる気を失わせないようにすることが若手のやる気アップに直結する。上司のやる気は部下に伝達するのだ。
(構成=野崎稚恵)