「売れた経験」こそがモチベーションを上げる
「営業という仕事にやりがいを感じますか?」。トップセールス500人を対象に行った調査では、「YE行った調査では、「YES」が391人(78.2%)とトップセールスの約8割が営業の仕事にやりがいを感じている。
これが一般営業担当者500人になると、「YES」は103人(20.6%)、「NO」は329人(65.8%)、どちらとも言えないが68人(13.6%)。一般営業担当者の過半数が、やりがいを感じていないという結果である。
「売れるから、やる気が出る」のか、「やる気があるから売れる」のかは一見わからないようだが、私は前者であると考えている。なぜなら、売れるという経験が達成感を与え、営業担当者を育てるからだ。成功体験を積み重ねることで営業プロセスを理解し、効果的なアプローチができるようになる。売れなくてもやる気だけはあるという状況は長続きしない。やりがいは営業成績と直結している。
次に、「半年以内に退職を考えたことがありますか?」という質問を同じ対象者に行ったところ、トップセールス500人の答えは「YES」は36人(7.2%)、「NO」は422人(84.4%)、どちらとも言えないが42人(8.4%)となった。やりがいに関する調査結果を合わせてみれば、トップセールスの8割が「やりがいがあるから、いまの仕事を辞めようと思わない」と考えていると推測される。積極的な意識でいまの職場に留まることを決意しているのである。
しかし、同じ問いを一般営業担当者500人にぶつけると、「YES」は49人(9.8%)、「NO」は101人(20.2%)、意外なことに「どちらとも言えない」が350人(70.0%)と多数を占めた。一般営業担当者の多くは、「どこに行ってもどうせ売れない。生活もあるし、辞める気もない」と考えていることになる。会社に留まってはいても意識や考え方は消極的なのだ。
勤続年数別にデータを分析してみると、やる気格差が顕著に表れているのは営業経験3年目までの営業担当者であった。彼らのやる気は、成功体験の有無で二極化している。「顧客から感謝の言葉をもらった」など、営業活動の中で一度でも達成感を得ている人はそれが自信につながり、やる気も生まれている。