自動車の自動運転技術が進む中、運転をコントロールする先端技術を開発中のベンチャー企業がある。一般公道で無人運転の実験に成功した背景には、あのグーグルをもしのいだ戦略があった。ジャーナリストの中村尚樹氏が、難題に挑む2社に迫った——。

※本稿は、中村尚樹『ストーリーで理解する 日本一わかりやすいMaaS&CASE』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

自動運転のカギを握る「オートウェア」

研究開発が進む自動運転技術で、カギを握るのは、自動運転に関する複数の機能を統合して制御するソフトウェアである。この分野で日本の先頭を走るのが、Tier Ⅳ(以下、ティアフォー)が開発をリードする自動運転のソフトウェア、Autoware(以下、オートウェア)だ。オートウェアは公道での本格的な利用が可能なレベルに達しており、しかもこの分野では世界で最初の、無料で使えるオープンソースとあって、各国の企業や研究機関で広く利用されている。

ティアフォーの創業者で、CTO(最高技術責任者)の加藤真平が自動運転と出会ったのは、アメリカのピッツバーグにあるカーネギーメロン大学で、研究員として情報処理を研究していたときのことだ。

ティアフォーの創業者で、CTO(最高技術責任者)を務める加藤真平氏
筆者撮影
ティアフォーの創業者で、CTO(最高技術責任者)を務める加藤真平氏

「たまたま自動運転のプロジェクトに入ったのです。後にグーグルカーを作って有名になるクリス・アームソンがプロジェクトを辞めた直後だったので、猫の手も借りたいような忙しさで、ぼくもいろいろ関わることができました」