傷があまりにも深く、だれかを信用したいのにできないからこそ、そういった要求をするのでしょうが、その要求を永遠にかなえ続けることは現実的には無理な話で、早晩この関係は破綻してしまいます。そして、また傷を深くしてしまうのです。

傷を癒そうとして誰かを探すのに、却って自分の傷をえぐるようなことをしてしまう。その繰り返しの中で、自分はもはや救われないのだと思う人もいるかもしれません。

あなたの人生を変える運命の人の条件

しかし、冷静に考えてみてほしいと思います。子どもを24時間365日、見ていられるのはそれが期間限定であることがあらかじめわかっているからではないでしょうか。

地上の庭でアジアの女の子ブルー散水
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しかも、その子育て期間ですら、実際には24時間365日ずっと、子どものことを見ていられるわけでもなく、思うようにならないものです。それなのに、恋人やパートナーに対して、いつ終わるかもしれない24時間365日をずっと続けられるでしょうか? さすがに無理があるとは思いませんか。

たしかに、傷を受けた心を癒すためには、親の代わりに、誰か信頼できる大人と1対1の関係を築き直し、愛着を結ぶ関係を作る「育て直し」が必要なことがあります。

もし、恋人やパートナー、もしくは友人に信頼できそうな相手を見つけることができたなら、その人の「愛し方」をよく観察してみてください。

自分本位の愛情で相手を振り回してしまう人なのか。気が向いた時だけ愛して、後は邪魔者扱いするような身勝手な人なのか。それとも、静かな愛情で、いつも、何がどうあろうとパートナーの人格を認め、大切に扱おうとしてくれる人なのか。

もし、この3番目に該当するような人がいたとしたら、その人があなたの運命の人です。運命の人、というのは、結婚する相手、ということではなくて、あなたの人生を変えてくれる人、という意味です。

花に水をやるように、愛情を自分に向けてみる

そして、この人に頼りきりになるのではなく、この人が自分に向けてくれる淡々とした深い愛情のあり方を、ぜひ、自分でも体得していってほしいのです。

この人が向けるような静かな愛情を、自分でも自分に向けてみるのです。どんな失敗をしても、どんな姿であっても、あなたはあなたであり、僕/私の大切な人です、というメッセージを、自分に発してあげてみてほしいのです。

もしうまくできたら、それが自然にできるようになるまで、毎日、花に水をやるように、最初は意識的にでも、繰り返してあげてほしいと思います。

もしも、そういう相手に日常生活の中では出会うことができなかったとしたら、はじめはプロの手を借りるのも方法です。優秀なカウンセラーの先生方は、自分の心の中にいる傷ついた子どもをどう愛したらいいのか、そのやり方を教えるすべを持っているはずです。

その力を借りるのは、日常生活で関係のある相手に頼るよりももしかしたら数段スマートで、賢い方法だといえるかもしれません。