家賃相当額が最大9カ月補助される制度も
次に、生計維持者が離職・廃業したなどで賃貸住宅の家賃が払えない、という場合には「住居確保給付金」を検討しましょう。
これは以前からある制度で、家賃相当額が原則3カ月、最長9カ月間補助されるものです。本来は年齢制限を含め、厳しい条件がありましたが、コロナ禍により現在は以下のように条件が緩和されています。
② 直近の月の世帯収入合計額が住民税の均等割が非課税となる額の12分の1と、家賃(上限あり)の合計を超えない
③ 世帯の預貯金合計額が市区町村の定める額を超えない
④ 誠実かつ熱心に求職活動を行う
以前は離職・廃業していることが条件でしたが、在職していても収入が減っていれば対象になるため、休業状態の人も申請できる可能性があります。
②③の具体的な額は自治体によって異なります。例えば東京23区の場合、世帯収入合計額が単身世帯では13万8000円、2人世帯では19万4000円、3人世帯では24万1000円を超えず、預貯金が単身世帯では50万4000円、2人世帯では78万円、3人世帯では100万円を超えないことが条件となります。
給付額も自治体によって異なり、1人世帯では5万3700円、2人世帯では6万4000円、3人世帯では6万9800円となっています。
相談窓口は、生活困窮者自律相談支援機関(自治体が直営または委託している社会福祉法人など)です。
自治体によっては独自の支援策を設けている可能性もありますから、問い合わせてみるといいでしょう。
失業等が対象だった緊急小口資金の利用も可能に
また、住宅ローンの返済がきつい、家賃が払えないといういずれかの場合、「緊急小口資金」や「総合支援資金」の利用を検討する手もあります。これは生活が困難な場合に市区町村の社会福祉協議会で借りられるものです。緊急小口資金は最大20万円、総合支援資金は単身者では月額最大15万円、2人以上の世帯では同20万円が3カ月にわたって貸し付けられます。
総合支援金は本来、失業等で生活費に困った場合に利用できるものですが、新型コロナウイルスの影響による収入減では、失業していなくても対象になります。
いずれも無利子で借りられるので、住居費に困るのが短期の場合には、これらの資金を利用して急場を凌ぐ方法もあります。
絶対に避けたいのは、滞納したり、そのまま放置したり、住宅ローンや家賃のために別にお金を借りたり、といったこと。セーフティネットはありますから、まずは金融機関や自治体に相談する、問い合わせるということを心掛けてください。