オペレーションシステムは常にアップデートする

またOSは、現実のソフトウエアでも定期的にアップデートされるように、研修などを通じてアップデートされなければなりません。当然、少なくとも組織で働くすべてのリーダーたちに、このOSが同じバージョンで最新の状態にアップデートされていることが望ましいということになります。

研修では通常、同じ会社のさまざまな部門から参加者が集まりますが、部門によって異なるOSによって動いているのではないかと思われることが、日本企業の研修をしていると感じることがあります。

大げさに聞こえるかもしれませんが、組織全体を横串で通すようなリーダーシップのOSがインストールされていることが、部門間の連携や、組織横断的なプロジェクトを成功に導く一つの要因ではないかと考えています。

初対面でも本音レベルで意思疎通ができる

私がGEにいたとき、いろいろな国で研修を行ったり、いくつものグローバル・プロジェクトに関わったりしました。そうした機会に協働した人々や研修の参加者たちは、国や地域、人種や宗教を超えて、「GEのリーダー」という共通項でくくられる特性や行動を身に付けていました。まさにそれが「リーダーシップのOS」なのだと信じています。このOSが彼らにインストールされ、アップデートされていますので、初対面であってもすぐに本音レベルで意思の疎通ができました。

前述のスキル系に分類される研修コースの多くは、アプリケーションソフトに相当します。これらも基本的な研修内容ですが、リーダーに「プロフェッショナル」として「必須の」(Essential)研修という位置付けがなされています。

このアプリケーションソフトに相当する研修のうち、「GEの共通言語」とも言えるファシリテーションやプレゼンテーションなどの研修を多くの従業員が受講していますので、会議やコミュニケーションがはかどり、協働することがとてもスムーズなのです。

日本企業においても、リーダーのOSとして何が必要か、アプリケーションソフトとして最低限何が必要か定義し、それらについて研修などを通じてインストールすることが大切なのではないでしょうか。

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