3.寝る時間は削らない

どれだけ忙しくても、1日は24時間しかありません。そのため、やるべきことが増えてくると、何かを削らなければ1日の時間に収まらなくなってしまいます。では、何を削ればよいのでしょうか。

削るものを考える際、私の中では1つの鉄則があります。それは、どれだけ忙しくても寝る時間を削らないということです。寝る時間を削っては長期戦の学習には体力がもちません。

人にはそれぞれ何時間寝れば疲れが取れ、すっきりするかという時間が体内時計のような形で備わっています。そこで、大事なのは何時間寝れば自分はすっきりするのかということを自分自身で把握することです。

把握の仕方はそれほど難しいものではなく、自分の睡眠時間と寝起きのスッキリ度合いの感覚を何回かすり合わせることによってある程度把握できるものです。例えば、私自身、6時間寝ると次の日の朝、寝不足感覚でどうしても少し頭が痛いなと感じます。これは、私にとって最適な睡眠時間というものが6時間ではないということを表します。

それに対し、8時間寝ると次の日の朝、すっきりとした感覚というよりは、頭の中に靄(もや)がかったようなぼーっとする感覚になります。これは、私にとっては8時間の睡眠時間は最適な睡眠時間を超過しているということを意味します。このような経験を何回かこなすことで、私は自分の最適な睡眠時間が7時間程度だと把握しています。

自分にとっての最適な睡眠時間が把握できれば、後は朝起きる時間から逆算して、寝る時間の目安を決めるだけです。司法試験受験生だったころ、私は朝8時には起きるという目標を掲げていたので、この時間から逆算して、基本的には午前1時には寝るようにしていました。

10分復習した後、すぐに寝る

もちろん正直な話をしますと、勉強のキリが悪く、少しだけ午前1時を過ぎても勉強を行ったりした日もありました。もっとも、そのような日であっても、絶対に午前2時までには寝ること、また、このような延長戦は月に数回程度に控えることは絶対に守っていました。

夜遅くまで勉強しているとつい勉強した気にはなりますが、実際は勉強の質が落ちてしまっていることが多々あります。何回も同じところを読んで、頭に全然入ってこない状況で勉強をしても、非効率です。

このような非効率な勉強をするのは極力避け、むしろ寝る前にその日行った学習で重要だった部分を10分程度時間を割いて確認し、すぐ寝るという「寝る前学習術」を活用することがおすすめです。そのうえで、朝はできる限り最初に設定した目標の起床時間には起きる習慣を大切にしましょう。