なぜ「予約困難店」を好むのか。渡部の真意

365日食べ歩きをしていると公言している渡部さんは、過去に出演したあるテレビ番組で、過去訪れた飲食店の中でも、特に気に入っているお店を挙げている。

その一つが、彼が定期的に予約を入れていると公言していた、福岡県小倉にある「天寿し」。ここは日本一予約がとれないことで有名な寿司屋だ。

アルコールは一切出さず、握りのみを出すことで知られ、特に名物の赤烏賊に雲丹と飛子をのせた握りは、「天寿し」とインスタグラムで検索すると、ほとんどの人がその握りをアップしているほどのお店の看板メニューだ。

しかも、天寿しの赤烏賊は、そのビジュアルからひと目で「天寿しの握り」であることがわかる。つまり、凡百の白いのっぺりとした烏賊の握りとは違い、写真を見ればそれが「天寿し」であると一発で視認できるのだ。

さらに、彼の好む店は距離的にアクセシビリティが困難の店を選ぶ傾向が強い。

彼が好む店として、岐阜にあるジビエ料理の名店「柳家」がある。

気軽に電話一本ですぐに席を取れるような店ではない

ここは、名古屋駅から中央本線で一時間ほどかかる瑞浪駅から、さらにバスに乗って20分ほどでようやく到着する“伝説の場所”。プロの猟師が仕留めてきたイノシシや鹿肉の炭火焼きが味わえるが、東京からのアクセスの悪さに加え、予約の取りにくさで、グルメたちの間では「行ったらうらやましがられる店」の一つだ。

ほかにも、渡部さんが好む店の一つとして、木村拓哉さん主演のドラマ「グランメゾン東京」(TBS系)のモチーフになったことでも知られる、新進気鋭の岸田シェフが手掛ける御殿山の「カンテサンス」がある。

こちらも、2名席の予約は超困難で、4名以上のテーブル席でも、基本的にグルメ仲間からの紹介がなければ実質的に足を運べないお店だ。さらに品川駅から徒歩10分以上かかるため、タクシー移動が前提、いわゆる富裕層が足を運ぶ店だ。

そして上述した店舗は、そのどれもが食べログの点数が4点台で、客単価が2万〜3万円ほどかかる。

気軽に電話一本ですぐに席を取れるようなお店ではないのだ。