本を情報源として仕事に役立てるにはどうすればいいのか。KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院の三谷宏治教授は、「ビジネス書は線を引いたり、耳を折ったりしながら読むといい。それにもコツがある」という――。

※本稿は、三谷宏治『戦略読書〔増補版〕』(日経ビジネス人文庫)の一部を再編集したものです。

ビジネス書はきれいに読むな!

子どもの頃、私の教科書は落書きだらけでした。

授業中は先生の話も聞いていましたが、教科書を先読みするか、机の下で本を読むか、教科書の空白に落書きするか、外の田んぼや山々を眺めるかでした。

でも、教科書以外の自分の本に書き込みをすることは、一切ありませんでした。「高校生になるまでは買わずに図書館の本を読みなさい」との担任の教えを守り、子どもの頃読んだ本はだいたい借りたものでした。買う本も、親が「月に1冊は好きな本を買っていい」と言ってくれたので、厳選していました。

それらに「落書き」なんてとんでもありません。本はきれいに読むものでした。

その、本をきれいに読む癖は、その後もずっと続き、未だに非ビジネス系の本はそんな感じです。

でも、大学の教科書くらいから別の読み方をするようになりました。難解で読み応えのある本を、情報源として後々役立て、活用するための読み方です。

それは、最初から最後までを「きれいに」読み通すのでもなく、「落書き」しまくるのでもなく、線を引き、(頁の)耳を折り、読む順番を工夫する、読み方の細かな技法(細工)でした。

社会人になって、分厚いビジネス書をじっくり読んだり、逆に薄い業界本を素早く読んだりしながら、それらの技も少しだけ進化していきました。