黒人に対する白人警察官の暴行事件が後を絶たない

アメリカでは、黒人に対する白人警察官の暴行事件が後を絶たない。そして、そうした事件が起きる度に抗議デモが繰り返されている。

たとえば、1991年、カリフォルニア州のロサンゼルスで白人警察官4人が黒人を暴行する様子がテレビで放映されて大きな問題となったにもかかわらず、翌年、警察官らは無罪となった。これに黒人たちが反発して「ロサンゼルス暴動」と呼ばれる大規模な抗議デモが起きた。

2012年には、フロリダ州で黒人の高校生が自警団の男に銃で撃たれて死亡する事件があった。警察は「正当防衛だ」とみなしてこの男を逮捕しなかった。これに「人種差別だ」との抗議の声が上がり、結局、男は40日後に逮捕された。

その後も同種の事件は後を絶たたない。もともとアメリカには暗黒大陸と呼ばれたアフリカから黒人を奴隷として無理やり連れてきた歴史がある。かつては日本でも「ルーツ(ROOTS)」(1977年制作)というアメリカのテレビドラマが大ヒットした。黒人奴隷制度をテーマにしたアレックス・ヘイリーの小説が原作で、黒人差別の負の歴史を如実に物語るドラマだった。

11月の大統領選でアメリカ国民が鉄槌をくだすしかない

6月3日付の毎日新聞の社説は「米の黒人死亡抗議デモ 大統領が分断あおる異常」という見出しを立ててトランプ氏をこう批判する。

「一刻も早く鎮静すべきだ。にもかかわらず、トランプ米大統領からは耳を疑うことばが相次ぐ」

「デモ参加者を『悪党』と呼び、過激化した抗議デモを『テロ』と挑発する。『略奪が始まれば銃撃も始まる』と脅し、『軍を出動する用意がある』と威圧する。

「非暴力を訴えるべき大統領が武力を振りかざせば、暴徒化に拍車がかかってもおかしくない」

「挑発」に「威圧」と、習近平政権も驚くに違いない。繰り返すが一党独裁の中国に劣らず、負けずのトランプ政権である。もはやトランプ氏には大統領の資格はない。11月の大統領選でアメリカ国民がトランプに鉄槌をくだすべきである。