王はたいそう喜んで、ダニエルを(ライオンの)洞窟から引き出すように命じた。
ダニエルは引き出されたが、その身に何の害も受けていなかった。神を信頼していたからである。
――ダニエル書6章23節

スマホで片っ端から花や鳥の写真を撮る

今、新型コロナとそれに関する真偽不明の情報で、不安やストレスを感じている方は多いでしょう。不安は心の中に入り込むと拭い去るのが難しい。

MACF牧師 関根一夫氏
MACF牧師 関根一夫氏

こうした不安やストレスは、どうすれば取り除けるのでしょうか。私は牧師をやりながら埼玉県のクリニックでカウンセリングもしているのですが、そこではいつも「あなたの悩みはわかるけれど、悩みを人生の主役にしてはいけない」と伝えています。今、コロナを自分の人生の「主役」にしてはいけないんです。そのためには、他のものを主役にする。たとえば命を主役にし、生かすものを主役にし、笑いを主役にしていくという視点がすごく大事だと考えています。

私はまず「家の周りを歩き、花や木、鳥や昆虫などを、片っ端からスマホで撮影してください」とアドバイスしています。花や鳥を撮影すると、ぐっと集中してほかのことを忘れられて気分転換になる。鳥を見て可愛い、声が心地いいとか、花を見てきれいだなと感じることは、命と関わる作業です。鳥も花も精一杯生きているわけですから。

旧約聖書「創世記」にある、神から人間に与えられた最初の命令は「すべての生きるものを支配せよ」です。これは支配下に置けということではなく「命あるものを神の心でケアしなさい」ということだと思います。終わりの見えない隔離生活で孤独に苛まれやすい今だけに、内にこもって「俺はもうだめだ」などと考えずに、自分以外の命と関わる時間を大切にしてください。もっとも、外出の自粛が求められる今は、YouTubeで落語を聴くことを勧めています。笑いやユーモアは、つらいときに人間性を維持する助けとなってくれますよ。