開き直りっぷりに開いた口がふさがらない
前述の関係者は「さすがに、会社のこの開き直りっぷりには、驚きました。A記者が賭けマージャンをした記者だということなんて、文春報道直後から編集局中に広まっていましたよ。そもそも、めちゃくちゃデキる記者として有名でしたからね。だって、検事長と賭けマージャンすることができるのですよ。批判している人が多いことは理解しますけど、そこまでの信頼関係を検事長と築くなんてそんじょそこらの記者じゃ無理です。完全に2人の記者はわが社のエースなんです」。
たしかに、検事長の犯罪行為という弱みを握ってしまえば、いざとなったらそのまま告発できるわけで、どんな情報でも検事長が漏らしてくれそうなイメージもある。一方で、そこまで親密な関係になって本当に権力を監視するというマスコミの役目を果たせているのだろうか、疑問も残る。
そして記事はこう続く。
どんな気持ちで記事を書いたのだろうか
<報道では、黒川氏は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が続いていた今月1日夜、東京都中央区内にある産経新聞記者宅を訪れ、6時間半にわたって賭けマージャンをした後、産経記者がハイヤーで目黒区内の黒川氏宅まで送ったとしている。「密閉空間に4人が密集し、密接な距離を楽しむマージャンは『3密』そのもの」とし、今月13日にも同様の行動があったと報じた。
産経新聞が用意したハイヤーを黒川氏が利用したことについては、5月1日の料金が2万5000~3万円ほどになるとした上で「便宜供与となる」とした。記者との賭けマージャンを含め、国家公務員倫理規程に抵触するおそれがあるとする人事院の見解を紹介した。>
仮に記者ががその現場にいたのであれば、文春報道をソースにする必要はないと思うが……。そして、記事は産経新聞東京本社井口文彦編集局長の見解を、こう記している。
<本紙は、その取材過程で不適切な行為が伴うことは許されないと考えています。そうした行為があった場合には、取材源秘匿の原則を守りつつ、これまでも社内規定にのっとって適切に対処しており、今後もこの方針を徹底してまいります。>
どんな気持ちで、処分に言及する上司のコメントを書いたのだろうか。