生き残るトヨタ、ソフバン、伊藤忠

上記を踏まえて、10年先も世の中に必要とされている企業について言及しましょう。まず挙げられるのは、ソフトバンクとトヨタ自動車。現在、両社は世界に立ち向かうために共同出資会社「MONET Technologies(モネ・テクノロジーズ)を創業し、モビリティサービスのプラットフォームを担うべく奔走しています。

商社では、じわじわと追い上げてきた伊藤忠商事の存在感がここから先10年で高まりそうです。同社は、前述した資源部門に依存せず、生活消費関連などの非資源事業に地道に投資を続けています。さらに、伊藤忠商事の関連会社である、SIer(システムインテグレータ)の伊藤忠テクノソリューションズも、クラウド化が一気に進むこの先、需要が高まる底堅い企業だと言えます。

さらに、伊藤忠商事の関連会社であるイーギャランティーも地位を盤石なものにするでしょう。そのキーワードは、「信用力」。同社は、企業が抱える売掛債権の保証を手掛けることで企業の信用スコア・倒産確率データを保有している企業です。不確実性が高まる時代において、企業の信用を可視化してくれる同社のサービスへの需要は大きく高まります。

ソニー、富士フイルム、オリンパスも…

ものづくり業界はどうでしょうか。

今後、さまざまなモノがインターネットにつながる時代になると、日本電産や村田製作所に代表される電子部品メーカーは存在感を強めるでしょう。今年注目を集める5G導入後に存在感を増すのが、ソニー・エンタテインメントなど、コンテンツも豊富に持つソニーです。また、ものづくりへの解決策を提供する力が強いキーエンスはより力を発揮します。

日本国内では、人口減少による需要減に注目が集まりますが、世界に目を向けると、人口増加は今後も続きます。こうした状況で強いのが、世界市場を持っている企業です。

食品分野では、アジア圏でも多くの売り上げを持つ日清食品、医療分野では富士フイルム、オリンパスなどは日本国内の不況とは無縁で好調を続けるでしょう。

どんな状況でも、敗者がいれば、勝者がいるもの。「10年後生き残る企業」として挙げた企業は、どれもその根拠を強く持ち合わせているのです。

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