政府の休業要請による経済的ダメージが特に大きいのが、水商売と風俗業界だ。ナイトビジネスに詳しいライターの富士弥勒氏は、「水商売も風俗も、それぞれ工夫をこらして客をつなぎ留めようとしている。だが、その結果には明暗が分かれている」という——。
2020年5月8日、閑散とした週末の歌舞伎町。民間の4月の景気動向調査によると、企業の景況感を示す景気動向指数は前月比63.7ポイント低下の25.8と10年3カ月ぶりの低水準となった。
写真=時事通信フォト
2020年5月8日、閑散とした週末の歌舞伎町。民間の4月の景気動向調査によると、企業の景況感を示す景気動向指数は前月比63.7ポイント低下の25.8と10年3カ月ぶりの低水準となった。

オンライン接客は30分1500~5000円が相場

政府の緊急事態宣言による「営業自粛」のダメージで、多くの事業者は瀕死の状態に陥っている。とりわけ壊滅的なのが、水商売と風俗業界だ。ただ、当事者たちもただ手をこまねいていたわけではない。さまざまな新サービスを打ち出し、過酷な状況に順応しようと必死にもがいている。

まずは水商売から見ていこう。客足の減少が止まらぬ中、わりと早い段階で登場したのが“オンライン接客”だ。

LINE、Skype、Zoomなどのビデオ通話アプリを利用し、スマホやパソコンの画面越しに客と対面するというもので、料金は30分あたり1500~5000円が相場。支払いはLINE Payなどのスマホ決済やクレジットカードなどで行う。仕組みの関係上、原則として前払いだ。

客が飲む酒は自前で用意する。店によってはキャストにドリンクをおごるシステムがあることもある。