「50分500円」コロナ禍でヘルスが出血大サービス
次は風俗業界だ。コロナ不況の対抗策として、各店がこぞって打って出たのは料金の値下げだ。
通常料金から5000円を割り引くなんてのはザラ。コロナの感染拡大が猛威をふるい始めた3月あたりには、プレイ代の半額キャンペーンを掲げる店までチラホラあったほどだ。
極め付きは名古屋の店舗型ヘルス「べっぴんコレクション」だろう。この店はなんと、普段は50分1万3000円するプレイ代を、ワンコイン、つまり500円に下げたのだ。なお、現在は営業自粛中となっている。経営が赤字になるのはもちろんだが、コロナで離れた客足を何が何でも取り戻したいという強い思いがなければまずできない決断だ。
値下げとは別のベクトルで集客を試みる店もある。語ってくれるのは、歌舞伎町ガイド人として定期的に「歌舞伎町ツアー」を開催する仙頭正教氏だ。
「歌舞伎町に老舗のハコ型(店舗型)ヘルス『プチドール』っていうのがあるんですけど、そこが10分1500円でオナクラみたいなサービスを始めたんです」
オナクラとは客と女性が互いの自慰行為を見せ合う店を指す。
「要は、普通のヘルスプレイは濃厚接触が怖いけど、見せ合いならまだ安心でしょってことです。私も試しに遊んできたんですけど、思ったより客が入っててビックリしました。なかなかいいアイデアですよね」
休業要請に応じられない業界特有の理由
自らの企画力で危機を乗り越えようとする姿勢は立派だが、一方で見過ごせない現象もある。
緊急事態宣言が全国で解除される5月末まで、水商売や風俗店は休業要請の対象だ。しかしこうした要請を無視している店も多い。先ほどのプチドールもしかりだ。なぜか。
その背景には、営業しなければ店がつぶれるという経済的な理由のほかにもうひとつ、風俗業界特有の事情があるらしい。
「風俗経営で難しいのは、常に女の子の数を一定数保っておくことなんですけど、店が休業すると、彼女たちはドンドン辞めていきます。経営者たちはそこを恐れているんです」(仙頭氏)
その事情はキャバクラも同じだ。店の看板の電気を消し、休業を装ってはいるものの、実はちゃっかり接客を行ってる店は少なくない。そういった店ではキャストが営業メールを送り、なじみ客を呼びつけているのだ。