制服着用は「学校と同じように集中するため」
時間割通りの授業について、保護者からの反応は良いという。生徒にアンケートをとったところ、「時間割通りがいい」「どちらかというと時間割通りがいい」と回答した生徒は、9割にのぼった。
制服着用は、登校時と同じように学習に集中できるようにするためだ。
「最初の段階では、身だしなみを整えて授業に臨めばいいという程度で、制服のことまでは考えていませんでした。しかし会議を重ねる中で、家庭でもなるべく学習に集中できる環境を作り、ビデオ会議でも登校時と同じような学習環境を保つために、制服で授業に臨ませることになりました。保護者からはけじめがついて良いという意見が聞こえています」
「1時間ずっと」ビデオ会議ではない
各授業でビデオ会議が開かれ、生徒はそこに参加する形で授業を受ける。ただし、すべての教科でビデオ会議を繋ぎっぱなしにしているわけではない。監視が目的ではないからだ。また、長時間にわたるオンライン授業による、眼精疲労への懸念もある。
授業の進め方は各教科で異なる。糟谷教頭の英語の授業の場合を聞いた。
最初は全員でビデオ会議に集まり、今日の学習内容を確認。そこでビデオ会議を終了して、各自課題をこなし、授業の終わりに提出するという流れをとっている。質問がある生徒は、ビデオ会議に残って話をするという形だ。発音の指導は、生徒が音読教材を使って録音し、音源を提出する方法をとっている。全員同時に説明をする時には、通信が途切れた場合を想定して、後から録音を聞けるようにしている。
現在は全教科で授業を行っているが、実技を伴う教科を中心に、制限が伴うものもある。そのため、必要に応じて単元の入れ替えなどを行いながら授業をしている。家で大きな声で歌える環境がないといった、「家庭の環境が限られていること」には配慮が必要だと考えているという。たとえば体育では、地元のプロサッカーチーム「ヴァンフォーレ甲府」のコーチにストレッチを習う授業を行った。