よく使う物を自分の近くに、あまり使わないものをそれより遠くに、使わないけれど記念にとっておきたい物は箱に詰めて収納していきます。

その場で取捨選択できない場合は、パソコンのメールやデータのアーカイブ機能と同じように、収納箱へ一時保管をする習慣をつければ、使うか使わないかわからない物に囲まれた不便な生活とはオサラバできます。物理的な片づけはできなくても、データやメールの整理はできるビジネスパーソンは一定数いらっしゃいます。物に対しても「アーカイブ」することで、「捨てない片づけ」が可能になります。

整理の軸は「1週間」で考える

さっそく、デスクの片づけ法を伝授いたしましょう。

まず、デスクを何もない状態にするか、作業スペースを確保するところから始めましょう。

次に、片づける物をジャンル分けします。このとき、収納グッズを増やすことはやめてください。物がいっこうに減らず、今後も増えていく一方です。

限られたスペース内でいかに整理するかと考えたほうが、「捨てない、でも、片づく」が実現しやすくなります。

デスクの整理は、まずは文房具から着手。文房具をすべてデスクの上に出しましょう。そして、ここ1週間で毎日使う物、たまに使う物、滅多に使わない物、使わない物に頻度分けします。

毎日使う物はペン立てや引き出しの上段に入れ、いつでも使える距離に置きます。貰い物の筆記具や替え芯など使用頻度が低い物は、チャック付きポリ袋に入れてしまっておきます。

ホチキス、ハサミ、クリアファイル、クリップなど、たまにしか使わない物は、引き出し上段の奥や2段目といった、すぐには目につかない場所へしまいます。この「すぐ目につかない場所」というのが、実は仕事の効率を左右する重要なポイントになります。

人は視覚に捉えた物を、脳内で無意識に記憶保存する習性があるのをご存じでしょうか。不要な物が常に視野に入っていると、それだけで脳の仕事が増え、気が散り、集中力が下がります。そういう意味でも、デスク上は極力必要な物だけを置いたほうがいいでしょう。

また、ホチキス、ハサミ、クリアファイルなどは、各自が1つずつ所有する必要はなく、シェアして使える物です。部署の予算で購入して共有棚に置き皆で使うようにすれば、整理面でもコスパ面でもメリットになります。たとえばクリップは、そのほとんどがコピーした紙をまとめるときに使用しますよね。個人のデスクに置かず、コピー機のそばに置いたほうが効率的です。

このように「自分のテリトリー内にすべての物を納めようとしないこと」が、使い勝手良く、作業効率アップにもつながる片づけのもう1つのポイントです。