官房長官は小池百合子! 厚労相は吉村洋文!

国からの「指示待ち」の知事たちが多い中で、1月24日に東京都と並んでいち早く対策本部を設置し、異彩を放っているのが大阪府の吉村洋文知事だ。世論調査で8割もの人々が緊急事態宣言を求めていた中で、吉村氏は早期発令を小池氏とともに要求し、矢継ぎ早に対策を講じている。コロナ対応をめぐる全国の知事の評価は、はっきり明暗が分かれているが、「一人でも多くの命を守りたい」と発信し続けて次々に手を打つ2人の知事は非常事態下でも動じる様子はない。SNS上には、ハッシュタグをつけて「#吉村寝ろ」「#百合子ありがとう」と支持する声も相次いでいる。

国民にわかりやすい明快な説明力と発信力で「政府のスポークスマン役」に適任との観点から「官房長官」には小池氏、現場の声を吸い上げながら国民目線を持つ「厚生労働相」として吉村氏を候補に挙げた。

安倍政権の初動対応を振り返る時に忘れてはならないのは、新型コロナウイルスの「震源地」となった中国からの入国制限が3月5日までなされなかったことだ。海外からの帰国者に「陽性者」が続出したことを考えれば、入国制限や帰国者対応に失点があったことは否めないだろう。

そして内閣官房参与は…

この点を早い段階から言及していたのは、安倍政権にも近い作家の百田尚樹氏だった。1月22日に更新したツイッターでは「中国からの観光客は一時ストップするべきと思う。国と国民の命を守るとはそういうこと」と指摘。そのうえで「経済的には打撃で、一部の業者は悲鳴を上げるだろうが、もし病気が大流行したら、国の打撃のほうがはるかに大きい」と警鐘を鳴らしていた。

同じく警告していたのは、美容整形外科「高須クリニック」の高須克弥院長だ。高須氏は、1月24日からの春節(旧正月)連休中に外国人観光客が多く訪れることも見据え、同月22日のツイッターで「一時的に鎖国したらいい」と指摘。4月15日には、小池都知事が3月下旬に言及してワイドショーや評論家から猛批判を浴びた「ロックダウン」(都市封鎖)についても、「腹をくくって、政治生命をかけて武漢なみの都市封鎖をすべきです」と提言している。

2人の言葉は、為政者にとっては時に耳障りなこともあるだろうが、有事対応で機動的・多角的に対策を講じていくためには必要な助言との指摘も多い。政治家や官僚の視点から距離を置いた政権アドバイザーとして、「内閣官房参与」のようなポストが望まれる。