今後の相場は「政治動向」次第になる
一戸建ては新築・中古とも一部を除き、アベノミクス以降せいぜいプラス5%と、さしたる上昇を示していない。
新築マンション市場は大手デベロッパーによる寡占化が進み、かつての経済危機時のように投げ売りから暴落へ向かうといった市場構造にはないが、このままだともちろん一定程度下げて売るしかないだろう。
現時点での不動産市場は、理論価格が全く成立する状況になく、結局は新型コロナの終息いかんにかかっている、としか言えない。仮に一定程度の落ち着きを見せた後は「政治動向」次第だろう。
12年の民主党から自民党の政権交代以降、株価や不動産市場を支えてきたのは「アベノミクス」であり「日銀の政策」だからだ。仮に安倍政権がチェンジということになれば、「必要があればちゅうちょなく追加の金融緩和に踏み切る」(黒田日銀総裁・9日)といった現行の姿勢が変わる可能性もある。
「次の首相」がどのような経済政策を打ち出すか
共同通信による最新の電話世論調査では、安倍内閣の支持率は40.4%で、3月26~28日の前回調査より5.1ポイント減。不支持率が43.0%と上回った。「休業補償すべきだ」82.0%、「布マスク2枚を評価しない」76.2%といった声が響いた。
とはいえNHKの最新世論調査における各党の支持率は「自民党」33.3%・「立憲民主党」4.0%・「国民民主党」0.5%・「公明党」3.3%・「日本維新の会」1.6%・「共産党」2.9%・「社民党」0.6%・「れいわ新選組」0.5%「NHKから国民を守る党」0.2%・「特に支持している政党はない」45.3%と、消去法的に自民党しかなく、野党が束になってもかなわないといった情勢だ。
一方で『週刊文春』は「和泉首相補佐官が厚生労働省大坪審議官とのコネクティングルーム宿泊にこだわり、外務省側はその調整に奔走していた」「森友問題で自殺した近畿財務局職員の手記公表」など、現政権に対する打撃を緩めておらず、産経新聞・FNNの最新合同世論調査において「次の首相にふさわしい政治家は、石破氏がトップ」と、現首相や小泉環境相を上回っており、そうなるとアンチ安倍政権といった姿勢を隠すこともしなかった石破氏がどのような経済・財政政策を標榜するのかに注目が集まる。
いずれにせよ「アフターコロナ」の世界は、不動産市場に限らず激変必至だろう。