発熱率が平均の2倍以上だった職種

また、職種・職業別ではグループを6つに分けて発熱率を分析している。最も発熱率が高かったのは、医療・介護職よりも〈現状の業務体制では3密回避や社会的距離の確保が難しいと思われる職業・職種(例:比較的長時間の接客を伴う飲食店を含む対人サービス業、外回りをする営業職など)〉に該当する人たちで、平均の2倍以上の発熱率だったことが判明。対人サービス業には、おそらく食料品や医薬品を販売する小売店の店員も含まれるだろう。

逆に発熱率が低かったのは休校中で人との接点が減っている教職員や学生らと、〈自粛条件下で、個人での3密回避や社会的距離対策が比較的容易〉とされる専業主婦/主夫など。

厚労省はこの結果から、〈「不要不急の外出を避けること」が、新型コロナウイルスの感染リスクを避ける上でも、他者に感染を拡げないためにも有効〉であり、〈特に緊急事態宣言が発令された7都府県の方々においては、「家にいること」、「不要不急の外出を避けること」の2点が最も重要であることをこのデータからも強調したい〉としている。

全く浸透していない「三つの密」

回答者が「新型コロナ感染予防のためにしていること」では、「手洗い・うがいやアルコールによる手や指の消毒」が85.6%。以下、「せきやくしゃみをする時は、マスク・ハンカチなどを口にあてる」が74.4%、「人がたくさん集まっている場所には行かないようにしている」が73.7%、「換気が悪い場所には行かないようにしている」62.0%となった。

日本では3月20~22日にかけての3連休で気が緩み、感染が拡大したのではないかという見方が強いが、少なくとも回答者に関しては個人ができる防疫意識は比較的高かったといえるだろう。

しかし、密集、密着、密閉の「三つの密」を避けることの重要性については、まだ浸透していない時期だったようだ。「他の人との近い距離での会話を避けている」としたのは32.8%。「仕事はテレワークにしている」は5.6%にとどまった。

第3回調査は4月12~13日にかけて行われたという。第1回調査から約半月後の日本人の意識がどの程度変化したか、また発熱などの症状を訴えている人の増減はあったのか、厚労省の発表を待ちたい。