大学時代、恩師の一人から、般若心経の中の「色即是空、空即是色」という言葉を聞いて興味を持ち、本書を手に取った。
「空」とは姿形なき「無」に近い意味で「色」とは人間の肉体も含めた物質的現象を表す。
「色」は人の心や因縁から生み出されるもの。元来、実体なき「空」に等しいものだという考えが、私の好きな「無為自然」という言葉に通じる。
仕事や経営に関しても、こうあるべきという枠を設けず、現実を素直に見て、あるがままに判断するということを大切にしたいと思う。固定概念にとらわれたまま何かに着手したり決断したりすると、本来見えるべきものが見えなくなり、結局、判断を誤ってしまいがちだ。