日焼け止め習慣が誘発、子どものアトピー

あなたは一日のうちでどれくらい太陽光を浴びているだろうか。「自粛要請」によって家に閉じこもり、日光を浴びる機会が極端に減った人も多いかもしれないが、とてももったいない。

1日約20分の日光浴で“万能ビタミン”
Getty Images=写真

なぜなら日光を浴びると、体内では「ビタミンD」という“万能ビタミン”が生成されるからだ。ビタミンCなどほかのビタミンは体内で合成できない栄養素だが、ビタミンDだけは唯一、食材だけでなく日光を浴びることでも体内で作ることができる。私たちの皮膚の細胞は太陽光のUVB(紫外線B波)の刺激を受けるとコレステロールに作用し、ビタミンDに変化するのだ。

ビタミンDといえば、カルシウムの吸収を促し、骨を丈夫にする栄養素として説明されることが多いが、それだけではない。元北里大学教授で日本細菌学会名誉会員の熊沢義雄氏はこう話す。

「ビタミンDには、免疫系の細胞の働きを良くする作用があります。炎症を抑制する働きがありますから、炎症がもととなって発症する動脈硬化や糖尿病、がんの発症リスクを下げます」

血管で繰り返し炎症を起こせば動脈硬化に、脂肪細胞で炎症が起きれば糖尿病になると考えられている。がんも慢性炎症の1つで、ビタミンD不足だと乳がん、前立腺がん、大腸がんなどにかかりやすくなり、不足の程度がひどいと悪性度の高いがんができる傾向にあるという。