「イライラ」のうちの8割は不必要

イライラやムカムカなどの「ネガティブな感情」をゼロにすることはできません。しかし、日々襲ってくるネガティブな感情によいも悪いもありませんし、ネガティブな感情をもっていない人もいません。

喜怒哀楽という感情があるように、ネガティブな感情は、むしろ、使い方によっては人が成長する原動力になるような人間が生きていくうえで非常に大切な感情の一つです。でも、その表現方法には「よい」「悪い」があって、それを決めているのはあなた自身だということです。

私は「イライラ」「ムカムカ」のうちの8割は不必要なものだと考えています。この8割の不要な感情の乱れは少しずつ減らしていきます。そして必要な2割の感情については正しく表に出していくようにすることで、感情をマネジメントできるのです。

よく、怒りたい時に怒らないとストレスが溜まるのではないかという質問をいただきます。それは、怒ることとストレスの相関関係を誤解しているのです。

なぜストレスが溜まるのかと言えば、伝えるべきことを伝えていないからです。それがストレスとなり、またイライラの元になるという悪循環を引き起こす。ある意味、妻の一言にムカッときて「バカヤロー」と言い返したところでなんの問題解決にもなりませんし、あなたの本当の気持ちは伝わっていません。目的は、本当の思いを伝えて行動を変えるところにあります。

誰もがマイルールをもっている

では、なぜ人は感情が乱されるのでしょうか。それはあなたの「心の枠」が原因です。枠とは「価値観」「自分なりの常識」「固定観念」「想定」「期待」「思惑」などです。心の枠の数や大きさは人それぞれになります。たくさんもっている人もいれば少ない人もいます。一つ一つの大きさも小さい人もいれば、大きな人もいます。

日常生活を送っていると、心のなかに目に見えないボールが飛んできます。ボールとは、相手の言葉や態度です。それが心の枠のなかにすっと収まれば、心は穏やかなままです。あるいは「そうだ、その通りだ」と同意することもあるでしょう。イライラや怒りにつながりません。

ところが、言葉や態度が心の枠の外に来ると、イライラや怒りにつながります。私は学生時代、ハードロックバンドのボーカリストでした。ハードロックが好きな人からは「魂を揺さぶられた」「刺激的だった」と言われますし、そうでない人には「耳障り」「やめてくれ」と言われたことがあります。音楽は同じでも「心の枠」によって受け取り方が違っていました。

「心の枠」とは「価値観」「自分なりの常識」「固定観念」などだと前述しましたが、それは端的に言えば「○○すべき」というマイルールです。このマイルールが守られないと感情は乱れます。