国会をみよう、と訴える本当の理由

——新著『国会をみよう 国会パブリックビューイングの試み』(集英社クリエイティブ)では国会の「正常化」が必要だと訴えていますね。

上西 充子『国会をみよう 国会パブリックビューイングの試み』(集英社クリエイティブ)
上西 充子『国会をみよう 国会パブリックビューイングの試み』(集英社クリエイティブ)

端的に言えば、聞かれたことにちゃんと誠実に答える国会です。

現状では、論点ずらしやはぐらかしが横行して、正面から質問に答えようとしません。そんなやり取りを平然と続けているのが今の国会です。論理的なやり取りが成立する状況にしなければいけません。

国会パブリックビューイングやご飯論法という言葉は、国会を可視化させるための手段です。多くの人がリアルな国会を見るようになって、「お前らいい加減にせい!」と声が上がれば、状況は改善されると考えています。

野球やサッカーなどのスポーツ中継は、選手の紹介や戦術の特徴が紹介されます。さっきのプレーはどうだったか、スローモーションで解説もありますよね。同時解説はできませんが、国会もそうなればもっと身近なものになると思います。

「おまかせ」や「お客さん」のままではダメ

——まずは国会を見てみよう、ということですね。

国会を可視化することで国会の正常化を目指したいと考えています。編集された映像ではなく、ありのままの国会審議を見てほしいと思います。審議の過程にこそ注目してください。

上西充子教授
写真=菅原雄太
上西充子教授

野党議員が何をどのように追及しているのか、各党の法案への向き合い方も見えてきます。もちろん答弁する安倍首相や閣僚の姿勢も見えてきます。政治が私たちの暮らしに直接かかわる問題であることが見えてくれば、「おまかせ」や「お客さん」のままではダメだと実感してもらえると思います。

まずは、国会を見ることからはじめましょう。

(構成=菅原雄太)
【関連記事】
「安倍やめろ!」に違和感をもった大学教授がひっそりと続けていること
国民の不安を煽るだけの安倍首相と、国民に寄り添う他国リーダーとの本質的違い
コロナ禍でウソがばれた「アベノミクス」という大失敗
コロナ対策も後手に、日本が世界に取り残される「おじいさん」政治から抜けられないワケ
安倍首相のご飯論法をパクる片山氏の口上