煽り運転をしがちな人の4大特徴

反対に、煽る側の特徴と原因には、次の4つのようなものがある。

一つ目は、「時間的余裕のないドライバー」だ。

一番シンプルな煽り運転発生の原因になるのが、「急いでいる」というもの。約束の時間ギリギリという時、人は法定速度で走る前のクルマにさえもイライラすることがある。が、原因が単純だと解決方法も単純で、この場合、時間に余裕を持って自分が早めに出発すればいい。これで全てが解決する。

次に「高級車に乗った凡人」。

筆者の個人的見解だが、煽り運転は、「凡人」が「高級車」に乗ると起きやすいように感じる。“中身(=ドライバー)”と“外見(=クルマ)”に差のない「ホンモノの高級車乗り」は、金・時間・心に余裕がある。

そのため、運転も自然と余裕を持ったものになるのだが、背伸びして高級車で乗り飾った「凡人」は、その「勘違いなグレードアップ」に気を大きくし、前のクルマを煽ることで、必然的に周囲から注目を浴びるシチュエーションを作り上げて、目立とうとするのだ。

2019年8月に常磐道で発生した煽り運転殴打事件の犯人は、まさしくこれに該当する。

こう考えると、高級車の煽り運転ほどカッコ悪いものはない。筆者は勝手に「煽り運転をする高級車の“中身”は、実に大したことない」と思っている。

「行き過ぎた正義感」は禁物

三つ目は、「行き過ぎた正義を振りかざすドライバー」だ。

本来、安全確保のために存在する「交通ルール」だが、昨今、この存在に固執しすぎる一部のドライバーの「行き過ぎた正義感」によって、煽り運転が生じているように思えてならない。

正義感が強すぎるドライバーは、自分が優先である状況の中、相手の無理な割り込みや、「お礼の合図がない」など、ちょっとしたルール・マナー違反でも見過ごすことができず、追いかけて「罰」や「制裁」を与えたくなるのだ。

そんな彼らによる煽り運転は、日本がルールやマナーに非常に厳格な国だからこそ起こり得ることだと考えられる。実際、日本よりもルールやマナーに幅を持たせるアメリカや韓国では、ものすごいスピードで走ったり、車内で汚い言葉を連呼したりするドライバーは数知れないものの、煽り運転においては、日本ほど多くない。

そう考えると、「行き過ぎた正義」や「自分にあるはずの優位性の侵害」から起きる煽り運転は、かつて日本で問題になった、店員に土下座を強要するクレーム客の心理に似ているのかもしれない。

「運転弱者」を物色したり、「煽り」を楽しむ悪質者

そして最後の四つ目は、「悪質ドライバー」である。

煽る側には、先述通り「運転弱者」を物色したり、「煽り」そのものを楽しむ悪質なドライバーがいる。前出の東名高速死亡事故の被告は、この部類に属する。

他ドライバーのミスやマナー違反などに難癖をつけて煽るのだが、彼らの本当の動機は、日頃に溜めたうっぷんを晴らしたり、“快感を”得るためだったりするので、とにかくしつこい。

こうした悪質ドライバーには、東名死亡事故をきっかけに法律の厳罰化も検討されており、今後、積極的かつ厳しく取り締まってもらいたいところだ。