空気と水の次に必要な資源「砂」が枯渇しつつある。最大の原因は、中国などの新興国が大量のセメントを建築に使っているからだ。すでに中国が2011年~13年の3年間で生産したセメント量は、1901年~2000年の101年間にアメリカで生産した量を超えているという――。
※本稿は、ヴィルジニー・レッソン『グラフと地図で知るこれからの20年』(河野彩・山口羊子訳、原書房)の一部を再編集したものです。
砂の採取量は砂ができるスピードをはるかに越えている
バカンスや夕日に欠かせない砂浜が消えようとしている。
いまの子どもたちの孫世代は波にのまれる砂のお城を見られなくなるのだろうか? 砂浜が消えるという予想はファンタジーではない。年々道路や建物や発電所が建てられるたびに海底がこそげとられるにつれて現実になりつつある。
資源をより継続的に管理していくために人類が軌道を修正しない限り、ある資源が空気や水と同じくらいほぼ生命にかかわるものになるだろう。
その資源とは砂だ。
世界規模で見ると、砂と砂利は空気と水の次にもっとも必要とされている資源だ。しかし空気や水と違って、今日、世界の砂の採取量は砂ができるスピードをはるかに越えている。