グーグルの親会社アルファベット社が「採用で最も重視するスキル」とはなにか。教育イノベーターの本山勝寛氏は「人材開発部長のジュディ・ギルバート氏は『もちろん賢いことは重要だ。でも知的好奇心のほうがもっと重要だ』という。これからの社会で必要な力は、これまでとは違う」と説く――。
ランキングを見れば「社会が変わった」ことは歴然
子どもたちが将来、社会から求められる重要な力とはなんでしょうか? そのために、子育てにおいて意識しておいたほうがよいことはなんでしょうか?
そのことを探るために、まずは世界の企業の時価総額ランキングを2019年と1988年で比較した図表1を見てみましょう。
【図表1】世界時価総額ランキング1988年と2019年の比較
順位 | 1988年 | 国名 | 2019年 | 国名 |
1 |
NTT | 日本 | アップル | 米国 |
2 | 日本興行銀行 | 日本 | マイクロソフト | 米国 |
3 | 住友銀行 | 日本 | アマゾン | 米国 |
4 | 富士銀行 | 日本 | アルファベット | 米国 |
5 | 第一勧業銀行 | 日本 | ロイヤル・ダッチ・シェル | オランダ |
6 | IBM | 米国 | バークシャー・ハサウェイ | 米国 |
7 | 三菱銀行 | 日本 | アリババグループ | 中国 |
8 | エクソン | 米国 | テンセント | 中国 |
9 | 東京電力 | 日本 | フェイスブック | 米国 |
10 | ロイヤル・ダッチ・シェル | 英国 | JP モルガン・チェース | 米国 |
世界の時価総額ランキングの推移を見ると、時代が大きく変化していることが一目瞭然です。平成が始まった1988年は、世界時価総額のトップ5をNTT、日本興行銀行など日本企業が総なめし、トップ10も日本企業が7社を占めています。
これが2019年になると、日本企業はトップ10どころかトップ30から姿を消しています。逆に、アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット、フェイスブックと、米国のIT系急成長企業が名を連ねています。