IT企業創業者が受けていたモンテッソーリ教育

では、子どもの好奇心や創造性、コラボレーションといった力をどのように伸ばすことができるのでしょうか? この問いに対して、唯一の正解がないのが難しいところですが、そのヒントを挙げるとすると、「遊び」「創作」「仲間」です。

人が物事に興味や関心を抱くのは、楽しいことをするときではないでしょうか。人はやらなければならない義務だと思って取り組むと、そのことに興味が薄れていきますが、楽しい遊びだと思って取り組むと、そのことが気になって仕方なくなり、好奇心を高めます。

グーグル創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス、フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグの共通点として、モンテッソーリ教育を受けていたことが挙げられます。

モンテッソーリ教育とは、子どもに内在する自分を育てる力を存分に発揮できる環境と自由が保障された中で、子どもの自発的な活動を後押しすることを基本理念とし、遊びを通じて学ぶことを重視しています。つまり、子どもの頃から、図形やお絵かき、言葉遊びや数遊び、さまざまな道具を通して、五感を使って自由な発想と遊びをしていたわけです。

絵本の言葉の中に将来夢中になるものが眠っている

たとえば、言葉に好奇心を持たせるにはどうしたらよいでしょうか?

漢字ドリルやアルファベット練習帳を毎日繰り返しても、「習得」させるだけで終わってしまうかもしれません。好奇心を引き出すためには、「言葉で遊ぶ」ことが重要です。しりとりやカルタ、ダジャレ、早口言葉、言葉にリズムのある絵本を読む、歌を歌って歌詞を覚える。これらが言葉遊びです。

何げなく子どもが遊んでいることに好奇心を育てるヒントがあります。おもしろいダジャレを考えたり、言葉と言葉を組み合わせて新しい言葉をつくりだしたりするのは楽しい遊びですが、実は言葉への好奇心、さらには創造性を育むワークでもあるのです。

グーグル創業者のラリー・ペイジは6歳の頃、お気に入りの絵本の文字をパソコンに入力していたと言います。好きな絵本の興味ある言葉を、自分にとって好奇心が刺激されるパソコンと組み合わせた体験に、後に「キーワード」と「検索」で世界中の情報のあり方を席巻するグーグルが生まれる原点があったのかもしれません。