現役時代と同じつきあい方をすれば退職金もすぐに目減り

予算の立て方と節約のポイント
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予算の立て方と節約のポイント

特にサラリーマン男性が陥りがちなワナがある。それは、現役時代のつきあいをそのまま引きずって、それまでと同じゴルフ場に行ったり、飲みに行ってしまったりすることだ。そのために60代前半でつきあい費が思った以上にかかってしまった、というケースも多い。社会とのつながりが切れ、家庭にいても居場所がなくて淋しい気持ちはわかるが、もらったばかりの退職金を使ってしまうと後がつらい。資金を運用して増やそうとしても、元手が少なくては効果が出ないからだ。何より、自分一人でどんどん使っては、妻の不興を買うことは間違いない。

また、現役時代の年収が多い家庭の場合、親戚づきあいなどの交際費が減らなくて困る、というのもよく聞く話。「お互い、年金暮らしになったらお中元やお歳暮はストップしませんか」と今のうちに申し合わせておくのも、効果的な方法だ。こうした面倒ごとは自ら率先して行って、家庭内での地位向上を目指したい。

年金にも老後資金にも余裕がある家庭なら、夫婦それぞれ300万円ずつ、といった「自由に使えるお金」を決めておくのもいい。「何に使っても文句は言わない代わり、なくなっても補充なし」と決め、気晴らし用の軍資金として楽しんではどうだろうか。

(取材・文=有山典子)