防ぎきれないアプリを介した不幸な事件
ここまでマッチングアプリの利点を多く解説してきましたが、もちろんいい話ばかりではありません。アプリの性質上、相手の身元がはっきりとわからないという部分は、どうしてもトラブルにつながりやすいのです。まず、マッチングアプリ全般で問題視されているのが、いわゆるサクラや業者の存在です。
サクラは運営に雇われて、運営が儲かるようにユーザーを誘導しようとします。もちろん出会い目的ではなく、アプリをできるだけ長く使わせて利益を出そうとしている人たちです。サクラはポイント制のアプリに多く存在して、マッチングしたにもかかわらず延々とアプリ上でメッセージでのやり取りだけを続けて、相手側に無理やり課金させようとしてきます。
業者も、サクラと同じく純粋に出会い目的でアプリを利用していない人のことですが、運営とは一切関係のない人物です。業者の狙いとしては、「個人情報の抜き取り」「有料サイトへの勧誘」「美人局を通してお金を巻き上げる」「ネットワークビジネス・投資の勧誘」などが挙げられます。
こういった業者はクローラー(WEBサイトやネット上の画像などの情報を取得し、自動的に検索データベースを作成する巡回プログラムのこと)のパトロールを避けるために、やけに早くLINEのIDを聞いてきて、その後別のサイトへ誘導するのが常套手段です。
肉体関係を迫る「ヤリ目」、「パパ活」も横行
その次に多いのが、肉体関係だけを求めるヤリ目の存在です。
実際に会ってみたら、すぐにホテルに行こうとするなど肉体関係を迫り、行為を終えるとその後の連絡が一切取れなくなる人たちが数多くいます。最近問題となっているのは、交際することを前提に体の関係を迫り、後日音信不通になるというパターン。婚活で後がないと思った相手の足元を見た卑劣な行為です。
実際、婚活アプリでマッチングした後、「結婚しよう」という雰囲気を出しながら、相手を口説くのは容易です。その後、肉体関係を持った途端に「気が変わった」と言って別れればいいと考えているのです。ある意味、結婚詐欺のようなものですが……。
また、ヤリ目と似ていますが、最近ではパパ活目的の若い女性も増加しています。せっかく出会いを楽しもうとしているのに、素人のキャバクラで楽しむようなものになってしまうのは悲しいものがありますよね。もし、女性が未成年だとしたら、法に触れることになるので逮捕される可能性もあります。