婚活サービス利用者は2割超
とはいえ、こうした声が聞こえるようになったのも、婚活サービスを通して結婚した人の数が増加傾向にあるからに違いありません。MMD研究所のマッチングサービス・アプリについての統計を見ると、2018年の婚姻者のうち、「婚活を通して結婚した」という回答が12.7%で過去最高となりました。
その中でも「ネット系婚活サービス」を通じて結婚する割合の増加が特徴的です。ネット系婚活サービスとは、スマートフォン、パソコンなど手持ちの端末で活動を行う婚活サービスの総称で、代表的なものとして「ペアーズ」や「オミアイ」などのマッチングアプリと、「ゼクシィ縁結びエージェント」や「オーネット」などの婚活サイトが挙げられます。
ちなみに、婚活サービス利用経験者は各年代を平均しても、2017年15.6%、2018年18.1%、2019年23.5%と増加傾向にあります。
出会いがアプリ「いずれ普通になっていく」
私は婚活産業を通しての結婚が増加した背景には、自然な出会いが減ったことが挙げられるだろうと考えています。最近の人は「結婚したい」と思ったときに、出会える手段がありません。職場で出会えるならば理想的ですが、飲み会に参加する若者が減少し、同僚や先輩、後輩と仲良くなる機会がありません。
また、職場に好意を持てる相手がいなかった場合、出会いがありません。そこで、自然に出会える場がないという人がアプリに流れています。こうした流れは、今後も加速していくでしょう。そうして利用者の分母が増えていけば、いずれ「出会ったきっかけはマッチングアプリです」と紹介されるのも普通になっていくでしょう。
実際、アメリカでも最初はマッチングアプリでの出会いを公言することに抵抗がありましたが、広く普及したことで「これもひとつの手段だな」という認識に変わりました。利用者が増えるということは、ひいては結婚する人の増加にもつながるかもしれません。日本でもいずれ、“常識”の変化が起こっていくはずです。
アプリで結婚相手を見つけるためのルール
マッチングアプリを通して、交際相手を見つけるのは容易なことです。ですが、読者の皆さんからすれば、「マッチングアプリ」が実際に結婚につながるのかという部分が気になると思います。私のこれまでの経験からしますと、マッチングアプリで出会って、ゴールする確率は決して低いものではありません。私の周囲にもたくさんいます。
一例を挙げましょう。マッチングアプリの大手「ペアーズ」で結婚相手と出会ったのは、当時30歳だったバツイチの女性、Dさんです。