朝日新聞、テレビ東京、小学館だけが出席できた

記者会見に招待されたメディアは、レバノンやフランスのテレビ局などだった。日本の報道機関は「攻撃的な記事を書いている」と出席を拒否され、朝日新聞、テレビ東京、小学館の3社だけだった。

報道によると、ゴーン氏は各メディアの過去の報道内容をチェックして出席の可否を決めたという。メディアの選別は大きな問題だ。無実ならば、どんなメディアのどんな質問にも正々堂々と答えればいい。

ゴーン氏は2018年11月19日、役員報酬の過少記載事件で東京地検特捜部に逮捕され、その後、サウジアラビアやオマーンを舞台にした特別背任事件などでも逮捕、起訴され、拘留は長期化した。最初の保釈は2019年3月6日だった。この保釈まで勾留は108日間に及んだ。

ゴーン氏はその後、4月4日に4度目の逮捕となり、4月25日に保釈されていた。このときの保釈条件で海外渡航などが禁じられた。妻のキャロル・ナハスさん(53)=東京地検が今年1月7日に虚偽容疑で逮捕状を取る=とも会うことができなくなっていた。

「自分の国と違うからといって批判するのはいかがなものか」

ゴーン氏の事件で日本の司法制度は、自供するまで勾留を続ける「人質司法」として海外のメディアから批判されている。ゴーン氏が国籍を持つフランスのメディアはこれまで「拘置所でクリスマスを過ごすことになる」「日本の捜査当局は尊敬されていた経営者を逮捕し、3週間後に起訴した」などと伝えてきた。

日本とフランスの司法制度はどう違うのか。前述したようにゴーン氏の最初の逮捕は11月19日だった。東京地検の久木元伸次席検事は29日の記者会見で、こう反論した。

「国によって制度は異なる。自分の国と違うからといって批判するのはいかがなものか」

この反論に沙鴎一歩は賛成だ。