まだ住宅購入は先だと思っていたのに4000万円物件を買ったのか

<家族構成>
本人・田村祥太さん(32歳)正社員 年収600万円
妻・亜子さん(32歳)契約社員 年収400万円
長女・亜里沙さん(3歳)

田村祥太さん(仮名・32歳)さんは、約1年前に都内にマイホームを購入した。妻の亜子さん(仮名・32歳)は、もともと会社の同期で28歳の時に結婚。妻は長女出産(現3歳)を機に退職したが、現在、別の会社で契約社員として働いている。

田村さん夫婦は、結婚してから、賃貸マンション(家賃12万円)で暮らしていた。子どもが成長して手狭になりつつあったが、通勤に便利な立地で、近所にはスーパーやドラッグストア、総菜店などが並ぶ商店街もある。仕事や家事、育児で忙しい毎日を送る夫婦にとって、とても住みやすい環境だった。

マイホーム購入に関しては、いずれ、長女が小学校に上がるまでには……くらいに漠然と考えていた程度で、物件を見に行ったり、情報を集めたりといった具体的な行動は起こしていなかった。

結婚してから銀行で積立定期もしてはいたが、車の買い替えや旅行などで、取り崩すこともしばしばだったという。

「同期のAのやつ、注文住宅を建てるってよ、すげえなあ」

状況が一変したのは、祥太さんの同期Aさんが住宅を購入すると聞いてからである。

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元同期である妻も、当然Aさんのことはよく知っている。しかも、田村さん夫婦と同じくAさんも職場結婚で、相手は亜子さんの後輩だ。Aさんの妻はまだ同じ会社で働いているが、亜子さんが会社を辞めた今でも、何かと連絡を取っているらしい。

他の同期からAさんの住宅購入の話を聞いた祥太さんは、「Aのやつ、かみさんの実家の近くに家を建てるらしいんだよー。注文住宅だって、すげえなあ」と何げなく亜子さんに伝えた。

このニュースを聞いた亜子さんは、「え? ホントに⁉ すごいわねえ」と驚いた様子だったが、それ以上何も言うことはなかった。

それがしばらくして、亜子さんが「家を買う!」と言い出したのである。しかも、すでに、住宅情報誌や住宅ローンに関する書籍などを買い込んで勉強を始めた様子で、銀行の住宅ローンのパンフレットまで集めていた。