年末年始にお墓参りをする人は多い。だが、都市部では墓守りする人がおらず、永代供養の納骨堂が主流となりつつある。ジャーナリストで僧侶の鵜飼秀徳氏は「お墓参りをないがしろにするだけでなく、近親者の遺骨を電車の網棚にわざと置き忘れる人もいます。お墓参りには“心のデトックス”の効能があることを知ってほしい」という——。
※本稿は、鵜飼秀徳『ビジネスに活かす教養としての仏教』(PHP研究所)を元に書き下ろしたものです。
改めて知りたい、お墓参りの「効能」
一年も残りわずかとなった。年末年始、お寺はお盆・お彼岸に次いで慌ただしくなる季節でもある。12月29日ごろから大晦日、そして年明けにかけて、墓参り客が続々やってくるからだ。
さて、本稿では、「ビジネスにおけるお墓参りの効能」について論じたい。その前に、埋葬の歴史や文化について少し、紹介しよう。