コンサルタントは課題解決のプロだ。だが、そもそも依頼する「課題」が本質的なものでなければ、本領は発揮できない。マッキンゼー出身で、フィールドマネージメント代表の並木裕太氏は「課題が『幹』か『枝葉』かを見定めなければ、事業は成功しない。そのために僕はある手法を編み出した」という——。

週に一回は「だらだら」話す

フィールドマネージメント代表の並木裕太氏
撮影=三浦 咲恵
フィールドマネージメント代表の並木裕太氏

だらだらと話す。

これは僕が仕事で大切にしていることです。

コンサルタントは企業の持つ「本質的なアセット(資産)」がわからなければ事業を成功に導くことはできません。そのためには中で働く人との継続したコミュニケーションとその絶対量を増やすことです。

何が好きで、何が嫌いなのか。どんな理由で、過去に重要な意思決定をしてきたか。僕はクライアント企業の経営者と週に一度くらいのペースで、特にゴールを設けることなく話し合っています。経営層が難しければ社員の方でもいいです。

ただし、その企業のことをよく知る経営者と話した方が本質的なアセットに早くたどりつける可能性が高い。中で働く人のリアルな情報からどんな会社なのかをつかむことが目的です。

でも、コンサルタントの多くの仕事では、本質的なアセットに到達しづらい。それは与えられた課題に対する答えを出すだけの単発のプロジェクトがほとんどだからです。全体像がわからないから、その問いがクライアントにとって「重要な課題(幹)」なのか、それとも「瑣末さまつな課題(枝葉)」なのか、判断することができなくなってしまう。