18歳になったら1人暮らしさせる
安心して帰れる場所を用意した後は、そこから追い出さなければなりません。居心地のいい家がいつまでもあると、その先何年、何十年も出ていかないということになりかねないからです。
私は常々、「18歳で子どもは外に出しましょう」と言っています。つまり、高校卒業のタイミングです。進学するにせよ、働くにせよ、家から一度出すのがいいのです。なぜか。このことが、子どもの自己肯定感を大きく上げることにつながるからです。
今、みなさんがお子さんに与えている生活は、かつてないほど高水準のものです。人類史上最高と言ってもいいでしょう。そしてこれ以上、上げることもかなり難しい。しかし、1人暮らしをすれば、生活水準はガクッと下がります。そしてそれが上がったときに、自分の力を感じることができるようになります。
中国の若者は、なぜ生活への満足度が高いのか
日本の若者の保守化傾向は、この高い生活水準にも原因があると考えられます。下がる可能性のほうが高いから、新しいことへの挑戦を躊躇してしまう。それと同時に、今の生活水準は親がつくりあげたものであって、「自分でつくりあげたものではない」ということもわかっています。それゆえに、漠然とした不安を抱えているのです。
これは、日本と中国の若者を比較するとあきらかです。生活に対する満足度を比べると、高い生活水準で暮らしている日本の若者よりも、中国の若者のほうが高い。なぜなら、中国の若者は毎年生活水準が上がっていくことを実感しているからです。
ところが日本の若者の場合、「落ちるかもしれない」という不安があるために満足感が低い。生活水準とその満足度は、必ずしも一致するわけではありません。むしろ大切なのは、「自分の力で生活水準が上がっている」という実感です。階段を上っていることを感じられれば、何かをやろうという気持ちも生まれます。