「自分の子供には将来生活に困ってほしくない」。子を持つ親なら誰でも願うことだろう。6人の子を育てるファイナンシャルプランナーの横山光昭氏は、「これから子どもがお金を貯めたり、お金に困らないようにするためには、工夫することを覚えさせましょう」という——。

※本稿は、横山光昭『子どもが10歳になったら投資をさせなさい』(青春出版社)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/agrobacter
※写真はイメージです

おこづかいは「円」と「ドル」の選択制

私が子どもたちにおこづかいを渡すときは、米ドルと日本円から選べるようにしています。日本国内では、米ドル紙幣は円に両替しなければほとんど使うことができません。その代わり、米ドルで受けとる場合は円の1割増しになるという特典があります。

なぜ、もらってもすぐに使えない紙幣をおこづかいで渡しているのかと言うと、話は長女が小学校2年生、2003年ごろにさかのぼります。当時、私はとある外資系企業からの報酬をドルで受けとっていました。普段、ドルでの報酬はあまりないので、突然入ってきたドル資金をどうしたものかと思案していたとき、ふと「子どもに与えたらどうなるかな?」と思いついたのです。

長女はもちろん、ドル紙幣を見たことがありません。そこで、試しに1ドル札を渡してみたところ、お金のようだけど、お金ではない不思議なものを見るように眺め、好反応でした。以来、「ドル建ておこづかい制」をおこづかいの基本にしています。

横山家の子どもたちは、おこづかいを米ドルで受けとるか円で受けとるかを選んでいます。受けとったドル札は、いつでも「パパ銀行」で円に両替できます。これはおこづかいを渡す親にとっても不便で、コストがかかります。常に手元に米ドル紙幣を用意する必要があり、銀行で円からドルに両替すると手数料をとられます。そんな手間暇をかけてでも「ドル建ておこづかい制」を続けているのは、それ以上の大きなメリットがあるからです。