褒めて達成感を覚えてもらう

最後の「いいと思ったら、思い切りほめる」も非常に重要です。たとえば、おこづかい帳をしっかりつけられたとき、計画的なお金の使い方ができたとき、ニュースとお金について結びつけて考えられたときなど、あなたが「この子はやるな」と感じた瞬間に「すごいね」「うまくできたね」「その考えはなかった」といった調子で思い切りほめてあげましょう。

無駄づかいしがちだったお子さんがおこづかいをうまく使えるようになったら、「やって当たり前」ではなく、「すごいことを達成した」という方向でほめてあげましょう。前述したように、横山家ではお年玉や親戚からもらったおこづかいを口座に貯めるお金、おこづかいの不足分の補填に使うお金に分けて、子どもたちに管理させています。小学生のうちは、半年後という先の予定を考えて準備する感覚はなかなか持てませんが、年間のおこづかいのやりくりを任せていると、徐々に先を見る感覚が養われます。

お年玉は少し多めに「口座」へ入金

子どもたちのお年玉は、少し多めにあげています。なぜかと言うと、月々のおこづかいは欲しいものを買って少し余る程度しかあげていないからです。これではお金を使ううえでの選択肢が狭くなり、先を見てやりくりする感覚が育ちません。もう少し余白があった方が自分なりのやりくりができるのではないかと考え、お年玉を多めにあげて、おこづかいの補填予算にあてる仕組みにしました。すると、下の子は上の子がやっているのを横目で見ながら、もらったお年玉を一時的な大金ととらえるのではなく、年間の予算として使い道を考えたり、より将来を見て貯金に回したりと視野を広げてくれるようになりました。

ちなみに、お年玉などの臨時収入を貯金用に回すときは、子どもたちの専用口座に入金しています。この口座には、月々のおこづかいのやりくりでできた残金やお祝い事でいただいた臨時のおこづかいなども貯めて、子どもたちと一緒に定期的に残高を確認します。通帳に数字となって積み重なっていく金額を目にすることで、子どもたちはお金が貯まっていくことを実感でき、「お金は貯められる」という自信を得ます。親の私たちは「すごいね、貯まってきたね」と思い切りほめるだけでいいのです。