活発な消費、金額も用途も並はずれ
経済の低迷が長引き、平成に生まれた若者が派手な消費やレジャーから距離を置くようになったと言われて久しいのですが、世の中には普通の若者とは異質の生活や消費をする若者がいます。果林さんはその典型例です。
果林さんの消費を支えているのは、裕福な親からの金銭的な支援です。果林さん夫婦自体は、30代前半のどこにでもいる普通の夫婦と同じような収入や資産額の水準でしょう。しかし、果林さんには「親の財布」があります。これを使って、23区内のマイホームも自家用車も手に入れ、自身の収入や資産保有額の範囲ではできないような生活を謳歌しています。
では、親リッチがどんな生活や消費をしているのかを見てみましょう。生活や消費に関する親リッチの声を聞くと、果林さんに限らず彼らの消費は概して活発で、普通の人たちとは使う金額も用途も違っています。生活スタイルについても、「自宅のそばにセカンドハウスを買う」、「自分の子どもを自分の両親の養子にする」といった行動は、普通の人たちは考えないでしょう。
初めて現れたデジタル消費の担い手
インターネットやデジタル機器の利用という点で、親リッチは一般の人に先行しています。この点について親リッチと一般の人のデジタル度を比較した調査結果を見てみましょう。
インターネットショッピング利用率は、親リッチな男性が57%、一般の男性が41%、親リッチな女性が58%、一般の女性が43%であり、親リッチが盛んにインターネットショッピングをしていることがわかります。
インターネットショッピングというデジタルな消費行動に関して、彼らは時代の先を行く消費者です。親リッチの消費の先進性という点については、消費先進度で確認できます。
「人より先に新しい商品やサービスを利用したり、新しいお店に行くほうである」とする割合(以下、イノベーター比率)は、親リッチな男性が14%に対して一般の男性が8%です。
女性の場合、イノベーター比率では親リッチと一般の女性の差がありませんが、「少し様子をみてから、新しい商品やサービスを利用したり、新しいお店に行くほうである」とするアーリーアダプター比率は、親リッチな女性が47%で一般の女性(40%)よりも高くなっています。総じて見ると、親リッチの消費先進度は高いと言えます。