多くのホワイトカラーが「AI失業」をする恐れ

RPAの最大の特徴はオフィスワークのルーティン業務を代替できることだ。社員が携わっている業務をルーティン業務と非ルーティン業務に仕分けする。

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具体的には業務を個々のタスクに分解し、そのうち代替可能なタスクをRPAが担う。それによって業務の効率化が向上し、社員は非ルーティング業務に集中できるだけではなく、これまでの作業が軽減され、残業時間の抑制にもつながるメリットもある。まさに働き方改革の救世主といえるだろう。

創造的な仕事さえもAIに奪われる

しかし、それだけにとどまらない。経済産業研究所の岩本晃一上席研究員は、創造的な仕事の一部もRPAに置き換えられていくと指摘する。

「RPAの導入は人事・総務・経理から開発・設計業務にまで広がっています。働き方改革の流れの中で業務の効率化を実現すれば代替できない非ルーティン業務に集中できるし、残業も減り、有休や育児休暇も取れるなどハッピーになれますよとRPAを提供する業者は盛んに言っています。しかし、今後はルーティンではないと思っていた創造的な仕事でさえも細かくタスクを分解していくと何割かルーティンの仕事が見つかってくるはずです。今後はより難しいタスクもRPAが代替するようになり、『残業しなくてもすみますよ』という今の段階から、次は『あなたは必要ありません』という流れになるでしょう。それが顕在化するのは数年後になります」

創造的でクリエイティブな仕事ですらもその一部がRPAに代替されるとすれば、ホワイトカラーの大部分の仕事が必要とされなくなる可能性もある。