羮に懲りて膾を吹く半面、喉元過ぎれば熱さを忘れるのが悲しい人の性である。周知の通り、かねてから問題視されていた米国住宅市場のバブルがついに弾けた。1980代末の日本のバブルや20世紀末ITバブルはほとんど教訓として生かされず、崩壊を食い止めることはできなかった。

住宅市場のピークアウトは2006年だが、住宅ローン証券化商品に伴う米欧大手金融機関の巨額損失が明るみになったのは昨夏以降だ。いわゆるサブプライム問題の勃発を機に、投資家は株式をはじめとするリスク資産から資金を引き揚げた。

対照的に、とめどもなく資金が流入したのが商品市場である。新興国の経済成長に伴う需給ひっ迫というシナリオに基づき、資源から穀物に至るまであらゆる商品価格が高騰したのも、すでにご存じのことだろう。