インテル流「外向きの人・内向きの人・実行する人」

理想のリーダー不在のインテルに登場するのが、アンディ・グローブだ。

ウォルター・アイザックソン『イノベーターズI』(講談社)

グローブはハンガリー・ブダペスト生まれのユダヤ人で、第二次大戦後に亡命。渡米後に独学で英語を身につけ、ニューヨーク市立大学シティーカレッジを経てバークレーで化学工学博士となった苦労人だ。新卒としてフェアチャイルドに入ったが、ムーアを慕って退職。押しかけに近い形でインテルに参加した。やがて彼は実務的な経営者として、会社を動かしていくことになる。

インテルの起業を実現させた元祖ベンチャーキャピタリスト、アーサー・ロックによると、ノイスは「人を感化する力と創業期に会社を売り込む方法を知るビジョナリー」だ。

そしてムーアは新しいテクノロジーが次々と押し寄せるなかで、インテルをパイオニアに仕立てられる人物。ロック曰く「彼は聡明な科学者で、テクノロジーを推し進める術を知っていた」。

最後にたくさんの企業が競合するようになったとき、「ビジネスとして会社をしっかり引っ張っていく現実的な経営者」が必要となり、それがグローブというわけだ。

「外向きの人・内向きの人・実行する人」

グローブはピーター・ドラッカーの『現代の経営』(ダイヤモンド社)を読み、これを自分たちに当てはめた。つまり、3人で理想のリーダーを実現したのだ。

チームを飛躍させるリーダーは「ひとり」とは限らない

ひとりの強力なリーダーという形でなければ、効果的な経営ができないわけではない。異なる才能が正しい組み合わせでトップに立ってもいい。合金のように、元素をうまく組み合わせれば強力になるのだ。

リーダーもまた、チームワークである。インテルの文化はやがて、シリコンバレー一帯に広がっていく。

自分一人で完璧なリーダーになる必要はない。異なる才能の組み合わせが、成功の鍵なのだ。

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