手帳や付箋は「時間管理」に大活躍する

私が実践しているやり方は、手帳にその日やるべきことを書き出し、それが終わったらチェックボックスにチェックを入れるというものです。書き出しておくメリットは、覚えておかなくてよいこと。その分脳の容量を使わなくてすむので、他のことを考える余裕ができます。

以前は自分の頭を過信してリストに書き出さなかったのですが、書類にハンコを押すのを忘れて出先から大学に戻らなくてはいけなくなったり、ちょっとしたところで時間と労力のロスがばかにならなかった。それがなくなったことが大きいです。

一日の仕事が終わり、チェックがズラッと並んでいるのを見ると「今日の仕事は終わった」という感覚がある。それが大事です。「何かやり残したことは? 忘れていることはないか?」と心を悩ませる時間がなくなり、スッキリとプライベートの時間に切り替えることができます。

付箋を活用するのもいいでしょう。やるべきことを一つずつ付箋に書いて、それを朝机の隅の方に並べて貼っておく。それをクリアしたらその付箋を捨てる。全部机の上からなくなったら仕事は終わり。

仕事をこなしたことを、このように可視化することがポイントなのです。

区切りをつけて次に向かう。手帳や付箋は時間管理において大きな力になります。

仕事のできる人は“天引き”で休みをとる

よく、今日できることは今日やれと言われます。それはどんどん仕事を抱えて余裕をなくしてしまうことにつながる。私は「今日やらないといけないことだけ今日やる。明日でいいことは明日に回す」というように変えてから、仕事と時間に余裕ができるようになりました。

私が仕事で付き合っている編集者にも、金曜の夜から土日にかけて、会社のPCに送られたメールは一切見ない人がいます。土日は一切仕事を離れて、月曜の朝に一気にメールを処理する。まずほとんどの件はそれで間に合うと言います。

彼曰いわく、「本当に緊急の案件なら携帯に電話がかかってくるので、会社のメールに来ているだけの案件は月曜日の朝で十分間に合います」と。

私もそれが正解だと思います。

そういう人だと相手も理解すれば、そのうち土日にメールも送られてこなくなります。

彼のような人は、自分の時間を確保するという意識が高いわけです。同じように、必ず夏休みは1週間取るとか、冬は長く休むとか、自分でパターンを決めてしまう人もいます。時間の使い方の上手な人、仕事のできる人ほど休みを取ります。

コツは、年初など、最初に休む日、仕事をしない日を確保してしまう。残りの時間で仕事をこなすようにするのです。

給与から天引きをして積み立てるとお金がたまるように、時間も天引きするのです。

最初に休む時間を確保しないとついダラダラと仕事をして、休む時間がなくなる、そういう人に限って「忙しくて休む暇もない」とボヤきます。何のことはありません、時間の使い方が下手なだけなのです。