列島が歓喜した日本代表の大活躍
日本列島全体がラグビーに熱狂している。まさかそんな事態になるとは思ってもいなかった。これまでの人生でスポーツから逃げ続けてきた私、歩くことすら嫌いな私が、ラグビー観戦でこんなに感動するとは思ってもみなかった。
思い返せば、9月4日からウラジオストクで実施された「東方経済フォーラム全体会合」で、安倍晋三総理はロシアのプーチン大統領を前に、こうスピーチした。
「お集まりの皆様。日本では新しい天皇陛下が御即位になり、時代の呼び名が改まりました。新しい時代の幕開けを告げる大きなイベントが、今月20日に始まるラグビーのワールドカップです。なんとその第一戦こそは、日本対ロシアです。私は、もちろん日本の勝利を信じています。すみません、ウラジーミル。でも、ロシア選手の皆さんにも頑張ってもらいたいと思います。日本以外の相手であれば、全て勝っていただいて結構であります(笑)」
私もこの場にいたのだが、この話の瞬間、会場はドッと沸いたものだった。
ワールドカップ初戦の9月20日。私はご招待にあずかり、スタンドで観戦することができた。一番高い席で15万円もするようなゲームを間近で見ることができて、大変興奮した。
猛牛のごとく突進していく選手たち。人間と人間とがぶつかり合い、激しい攻防戦が繰り広げられる。
サッカーをかつて観たことがあったが、全然点が入らないし審判の見ていないところでズルをして転んだり、引っ張ったりして、あまり観ていて気持ちのいいものではなかった。
野球も好きな人が観れば面白いのだろうが、球技についてなんにも知らない私にとっては、ルールがわかりにくくて苦手だ。ホームランはわかるのだが、それが1試合に数本しか出ない。
その点、私にとってのラグビーは、相撲を観ているような楽しみがあった。ルールは、野球やサッカーより複雑じゃないかという人もいたが、細かいルールはあっても、とにかくボールを白い線まで運べばいいという点が単純明快に感じた。