経営者トップから、文壇、芸能界、スポーツ界、一流の男たちを夜ごとにもてなす銀座の高級クラブのママたち。いかに心地よい時間を演出するか、日々磨いてきた気配りの技術を、3人のママに聞いた。

片方の目だけ見れば疲れない

銀座には、長い年月の中で醸されてきた文化と歴史が息づいている。だからこそ「いつかは銀座のクラブに足を運びたい」とビジネスマンなら考える。単に「銀座で飲めるまでになった」という満足感だけでなく、自分自身のステータスにつながるからだろう。

クラブ 数寄屋橋 園田静香●熊本県生まれ。1967年、「クラブ 数寄屋橋」を開店。以来、大作家、漫画家、政財界人たちが通う老舗「文壇バー」のオーナー。

ただし、どのクラブでもいいわけではない。やはり、老舗あるいは名門と評価される店こそがふさわしいはずだ。そこには来店した客を自然に“紳士”に変えてしまう雰囲気が漂っている。そして、その空間を見事に演出しているのが“ママ”たちにほかならない。