安倍首相「トランプ氏はゴルフでも礼儀正しかった」
それに、トランプはむちゃくちゃな「礼儀知らず」でもないらしい。そもそも、トランプと実際に会ってある程度しゃべったことがある「自称インテリ」って、ほとんどいないんじゃないかな。会ったこともないのに、アメリカのメディアのバイアスのかかった報道を見て、「あーだこーだ」と偉そうに言ってるだけ。
僕は、安倍晋三首相から「トランプ氏はゴルフでも礼儀正しかった」と直接聞いたし、安倍さんが大統領選直後にトランプタワーを訪れたとき、警備上の安全性を無視してまで安倍さんを1階まで見送ったトランプの姿を映像で見ている。彼が「政治家」というより「ビジネスパーソン」だから、客を丁寧に送り出すことが習慣になっているのかもしれないけれど、ここまでする大統領はなかなかいないよ。
大前提として、トランプが醸し出すあの「悪役感」は間違いなく彼の演出だ。悪役キャラで通すことには、大きく2つのメリットがある。
1つめは、人に強いインパクトを与え、自分のメッセージを世間に広く浸透させられること。
政治家は、無名よりも有名であるべし。自分のメッセージをより多くの人に伝え、より多くの人に支持されてナンボの世界だ。いくら「いいこと」を言っていても、誰も聞いてくれなかったら、それを実現しようがない。だから、自分の政策を実現するために、多くの支持を受けられるよう、ある程度の「演出」をするのは当然だ。ただし、自分の今の地位を守るために、保身の意味でイメージづくりをするのは言語道断だけどね。
小池百合子さんが都知事選のときに打ち出した、「都議会冒頭解散」というメッセージもそうだし、その後大騒ぎした築地市場の豊洲移転延期の件やオリンピック会場の再検討の件も、狙っているのは「インパクト」。
「善人」として強いインパクトを与えられれば、そりゃもちろんそのほうがいいけど、善人イメージをつくるには時間がかかるし、何より難しい。トランプはテレビに出演していたこともあるから、その経験からイメージづくりについて学んでいる部分も大きいかもしれないね。
僕のテレビに出ていた経験からすると、芸能人でも毒舌の「悪役演出」をしている人は結構多い。でも、テレビに出ていないときの顔は、みんなとても知的で、礼儀知らずでもなんでもない。本当に悪い奴だったら、テレビ業界になんか残っていられないよ。