2018年はスーパーフライデーが業績に貢献

もっとも、これほど大きく悪化したのは、2018年の3月、4月に実施したソフトバンクのキャンペーン「スーパーフライデー」が今年はなかったことが大きい。ソフトバンクユーザーが毎週金曜日にサーティワンでアイスクリームがもらえるキャンペーンで、多くの人を集めた。

この特殊要因が大きく影響したため、昨年との比較はあまり意味がないだろう。そこで、スーパーフライデーを実施していない、3年前の16年12月期上半期決算と比較してみた。

2016年と2019年の業績比較
2016年と2019年の業績比較

3年前の上半期の売上高は89億円で、19年の同時期より3億円ほど多い。また営業損益は2億円の赤字で、3年後とほぼ同水準である。13年12月期以前は黒字が続いていたことを考慮すると、良い状況だとはいえないだろう。売上高と営業利益ともに、この3年間で改善しているとはいえない。

フレーバーの選択肢の豊富さが魅力だった

サーティワンは1945年にアメリカで誕生した。現在は世界50カ国以上で8000以上の店舗を展開する、世界最大のアイスクリームチェーンとなっている。日本では、74年に東京・目黒に1号店が誕生。その後は83年に200店、03年に500店と、徐々に店舗網を拡大していった。10年には1000店、12年に1100店に達している。

「サーティワン」の名前は、「1カ月(31日)間、毎日違った味のアイスクリームを楽しんでもらいたい」という願いに由来している。それに従って、多くの店舗では32種類のアイスを提供している。

なぜ31種類ではなく32種類なのかといえば、店頭にあるアイスクリームを収容する冷蔵ボックスが、前後に2列、横に16列の計32個という配置になっているためだ。31種類だと1個余ってしまうため、全てのボックスを使って32種類としている。そのうち21種類は定番のフレーバーで固定されており、残り11種類は適時変えている。過去に販売してきたフレーバーの種類は1300を超え、この選択肢の豊富さが魅力だ。