「やりたいこと」を見つければ自然と治っていく

その後のユウキくんの復帰の様子は、本書で述べている通りです。薬を5月にやめて、翌月の6月には当会で学生インターンになり、立派に司会をしたり、プレゼンをしたり、資料を作ったりしています。

さまざまな見方がありますが、個人的には、私はこれらの問題は病気とは考えていません。薬で治すよりも、自分が本当にやりたいことを見つければ、そのために行動できるようになって自然と治っていくように見えます。

こういうことを書くと、「うちの子が頭痛いとかお腹痛いとか言うのは、やっぱり仮病なんだ」と思う、お父さんお母さんもいるかもしれません。しかし、本当に痛い場合も多いので、仮病と決めつけてはいけません。サボって起きられないことと、本当に具合が悪くて起きられないことの違いは、親でもわかりません。

NGワードは「頑張れば行けるんじゃないの」

そこで「あんた、本当はサボってるんじゃないの」「頑張れば行けるんじゃないの」と言うのはダメです。それはNGワードです。これを言ったら、親子関係が悪くなってしまいます。親が子どもを疑うと、親への信用性がなくなります。親はどうせわかってくれないと思うと、反抗するようになるだけです。

ただ、最初は本当に痛かったけれども、親がマンガを買ってきてくれた、ハンバーガーを買ってきてくれたというように甘やかすと、それを利用しようと思い始める場合もあります。実際に、生徒と仲良くなってくると「あの時は実は仮病だったんだ」と告白されることもあります。

信じすぎると今度はなめられるので難しいですが、疑うよりはまだいいと思います。ただ、家族で判断するのは難しいので、これにも第三者の目が必要になってきます。私たちはたくさんの例を見ていますから、本当に具合が悪いのか、そうでないのか、ある程度判断ができます。親子だとその基準がわからないので、第三者に見てもらうのがベターです。