なぜ、ロンドンマラソンは東京マラソンより盛り上がるのか
ファッション、アート、ミュージックなど“世界最先端”ともいえるカルチャーを発信し続けているロンドン。フットボールなどスポーツシーンでも世界中から注目を浴びているが、毎年4月に開催されるロンドンマラソンもすごいことになっている。
今年は男子マラソン世界記録保持者であるエリウド・キプチョゲ(ケニア)が世界歴代2位のパフォーマンスとなる2時間2分37秒で走破した。レベルは世界最高峰で、毎年4万人以上のランナーが出場する。筆者は今年のロンドンマラソンを現地で取材して、その熱狂ぶりに驚かされた。
ビートルズ、ローリング・ストーンズ、クイーンらを生んだ街だけに応援もロックだった。大音量の音楽が流され、沿道とランナーの“距離感”が近い。東京マラソンの応援は礼儀正しく、日本人の美しさを思わせるものがあるが、ロンドンはフットボール文化が影響しているのかもしれない。ランナーよりもオーディエンスのほうが盛り上がっているのだ。
そういえば、イギリス国会議事堂「ビッグベン」の着ぐるみをまとったランナーがフィニッシュラインの手前で頭上が引っかかり、なかなかゴールできない映像は世界中で話題になった。東京マラソンは、「スポーツ大会にふさわしくない服装」は禁止されているが、ロンドンマラソンは比較的、自由だ。さまざまなコスチュームのランナーたちが42.195kmの道のりに挑んでいる。
市民ランナーが履くシューズのブランドで1位だったのは
ランナーたちが着用するシューズも東京マラソンと少し異なる。トップクラスはナイキの厚底シューズが多かったのは同じだが、ゴール予想タイムが3時間台後半になるランナーたちのシューズはかなりバラエティに富んでいた。
1分間ずつ3回ほど、市民ランナーがどこのブランドのシューズを履いていたかカウントすると、多い順に、
ブルックス157人、アシックス144人、ナイキ124人、アディダス66人、ニューバランス46人、ミズノ30人、ホカオネオネ22人、オン11人、アンダーアーマー1人、プーマ1人、スケッチャーズ1人、メーカー不明(選別できず)55人、ロングブーツ1人、裸足1人
という結果だった。
日本では少数派といえるブルックスを履いているランナーが多く、日本メーカーであるアシックスの人気も高かった。